「不安を解消したいけれど、漢方でそれができるなら取り入れたい!」
「抗うつ薬などの副作用が気になるから、漢方でアプローチしたい!」
そうお考えの人は多いのではないでしょうか。
漢方は身体だけではなく、精神の不安などの解消にもアプローチできる薬です。
ですが、「薬で不安を解消するのは難しいんじゃない?」
そう思う人も少なくないですよね。
そこでこの記事では、東洋医学を利用して不安を解消できる仕組みや不安の原因を詳しく紹介します。
東洋医学は普段馴染みがなく、難しく感じるかもしれません。
ですが、漢方は私たちの身近に意外と使われているんですよ。
では早速見ていきましょう。
Contents
東洋医学的にみた不安
では東洋医学では不安をどのように捉えているのでしょうか。
具体的には、以下の見方で捉えています。
- 気の流れが滞っている人
- 血が足りていない人
- 肝の力が弱っている人
- 腎の機能が弱っている人
- 心が弱っている人
では、それぞれの人の特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。
気の流れが滞っている人
東洋医学的に見て、不安の原因の一つが気の流れが滞っている人です。
「気ってどこかうさんくさい……」
そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。
ですが、それほど難しく捉えなくても大丈夫。
気とは、身体の大元になるエネルギーのこと。
身体の行動面はもちろんのこと精神面にも深く関わっています。
そんな気の流れが滞ることで、以下のような症状が現れます。
- 気分が晴れない
- 感情が不安定になる
- 無性にイライラする
これらは気の流れが関わっているとされています。
そんな症状に対処するには、気の流れをスムーズにする漢方を処方すること。
そうすることで、不安の症状を和らげることができます。
血が足りていない人
東洋医学的に不安な気持ちに駆られている人とは、血が足りていない人です。
「血」と言うと、文字通りに捉えそうですが、そのままの意味だけではありません。
「血」は「けつ」と読み、全身に栄養を与える機能と、精神を安定させる効果が。
血が足りていないと、こんな症状に現れます。
- 髪や肌が乾燥気味になる
- 集中できない
- 生理が遅れがちになる
- 寝つきが悪くなったり、眠れなくなったりする
血が不足することで、身体への影響だけでなく、精神にも深く影響を与えます。
肝の力が弱っている人
東洋医学的に、肝の力が弱っている人も、不安に駆られやすい人です。
肝と言うと、肝臓が悪いなどのイメージを持つ人も多いかと思います。
間違いではありませんが、東洋医学ではそれだけではありません。
肝とは、新陳代謝や情緒の安定、体内の器官の調整などの役割も果たします。
また目にも深く関わっています。
肝の機能が悪くなっていると、こんな不調が。
- 心配性である
- 決断力がない
- おどおどしやすい
- 疲れ目になりやすい
などの症状が現れます。
腎の機能が弱っている人
東洋医学で言う、腎の機能が弱っている人も、不安に駆られやすい人です。
腎はエネルギーの貯蔵庫の役割を果たしています。
血を生み出す元となり、血と密接に関わっている腎。
そのため、どちらかが悪くなると、互いに影響を受けやすい部分でもあります。
腎が弱った人にはこんな症状が。
- ビクビクしやすい
- マイナス思考になりやすい
- トイレが近い
- 冷え性
- 考えがまとまりにくい
これらの症状が現れるようであれば、腎の機能が弱っているか、確認するのがおすすめです。
心が弱っている人
東洋医学的に、心が弱っている場合も、不安に駆られる原因です。
心とは身体の血液などを司る循環器のこと。
循環器の流れは、気や血とも深く結びついているため、相互に影響を受けやすい部分です。
心の働きが弱ると、こんな症状が。
- めまいがする
- 不眠
- 動悸
心は、そのイメージの通り、精神とも深く関わりがあるため、うつ状態になるなどの症状が出ることも。
その症状が深刻になると、漢方を利用することは難しくなるため、その前に対処することが大切です。
漢方で言う不安な気持ちの原因は?
ここでは漢方でいう不安な気持ちの原因を詳しく見ていきました。
- 身体と精神を支えるエネルギーである「気」
- 身体に流れる栄養を支える「血」
- 新陳代謝や情緒の安定に関わる「肝」
- 血を生み出す元になる「腎」
- 循環器を支え精神にも関わる「心」
これらのどれか、または複数の要因が悪くなることが、東洋医学でいう不安の原因です。
とはいえ、これだけでは漢方がどういったものか、今ひとつわかりませんね。
では次に、漢方とは何か、もう少し詳しく見ていきましょう。
漢方とは
では漢方とは一体なんでしょうか。
漢方とは、自然界に存在する動植物を加工して作られた薬の総称です。
その最大の特徴は、身体の症状だけではなく、精神の状態の改善も見ていること。
西洋医学では対応できない、ちょっとした心の不調や検査に現れにくい不調にも対応できるため、近年では東洋医学の考え方も、広まりつつあります。
「漢方は長い間飲み続けないと、意味がないんじゃないの?」
そうお考えの人も中にはいるかと思います。
漢方には、確かにそうしたものもありますが、実際には即効性のあるものも少なくありません。
複数の生薬を組み合わせて作る漢方薬は、その人の体質や、症状の経過などを見て、処方されます。
その効果は、様々で生薬を組み合わせているため、複数の症状に効果が期待できますよ。
漢方で不安解消
漢方は、身体の不調だけではなく、精神の不安にも働きかけます。
そのため、漢方で不安解消と言うのは実は理にかなった方法なんですよ。
不安な症状に効果が期待できる漢方はたくさんあります。
ですが、不安と一口に言っても、その原因は先ほど見てきたように多種多様です。
- その人の体質
- 冷え症や虚弱体質などその他の症状
原因は複数あり、体質も関わるため、一概にどの漢方が効果がある、とは言えません。
では、精神の安定に関わる漢方にはどのようなものがあるのでしょうか。
具体的には以下のものがあります。
- 柴胡剤
- (理)気剤
- 承気湯類
ではそれぞれの漢方をもう少し詳しく紹介します。
柴胡剤
柴胡剤は柴胡を主な成分として処方される漢方です。
肝に関係した症状の改善に効果が期待できます。
またストレスを抱えている人にストレスを緩和する効果も。
気剤
気剤は、気の流れを整えてくれる漢方です。
- 行き詰まった気分
- 喉に何か違和感がある
上記のような症状の場合には、気剤が効果を発揮します。
承気湯類
承気湯類は、気の流れをよくする効果がある漢方です。
排泄されるものがうまく排泄されないなどの症状により、精神が不安定になることもあります。
そう言った症状の緩和に効果が期待できる漢方です。
漢方は精神の症状が重い場合には難しいことも。
精神の症状が重い場合には漢方だけでは、難しいケースもあります。
西洋医学の抗うつ薬のような、うつに絞って即効性の高い薬は漢方はありません。
そうした場合には、西洋医学と東洋医学の両方からアプローチすることが一般的です。
というのも漢方の効き方は、特定の症状にピンポイントでアプローチするものではないから。
漢方は、うつの症状に対してのみアプローチするものではなく、不安やそれに伴う症状に対して効果を発揮します。
そのため、漢方を処方することでうつだけではなく、それ以外のストレスホルモンなどに夜症状を改善・緩和できます。
漢方はうつの手前の初期症状や、その予防にかなり高い効果を発揮しますよ。
専門家に相談(まとめ)
今回は、不安な気持ちの解消に効果がある漢方について詳しく見ていきました。
漢方は精神の不安や、それに関わる身体のトラブルの根本原因改善に、効果が期待できます。
ですが、不安と一口に言っても、その原因は複数関わっていて、アプローチも数多いです。
そのため、不安の解消に漢方を使う場合に自分だけでなんとかできるものでもありません。
まずは、専門家に相談するようにしましょう。