「急に不安な気持ちになって、動悸が激しくなる」
「急に脈が早くなって、息苦しくなったり、めまいを起こしてしまうことがある」
そんな症状になったことがありませんか?
もしかしたらそれは、パニック障害が原因かもしれません。
パニック障害とは、急に不安な気持ちに襲われることで、動悸やめまいなど、身体の不調が発生する病気です。
この症状を放置しておくと、より症状を悪化させてしまい、治るまでにより時間がかかってしまう恐れも。
ですが具体的にどんな症状なのか、特徴がわからないと今ひとつピンとこない人も多いですよね。
そこでこの記事では、パニック障害の特徴や診断について、どんな施術方法があるのか詳しく紹介したいと思います。
Contents
パニック障害の特徴
パニック障害は何のきっかけもなく、強い不安に襲われることで、吐き気やめまい動悸などの症状が起きる病気です。
このパニック障害には以下の特徴があります。
- 発作そのものが不安になる(予期不安)
- これまで発作が起きた場所や不安を与える状況を回避しようとする(広場恐怖症)
- 自律神経が乱れがちになり、うつ病などを併発する恐れがある
という特徴があるため、パニック障害はできるだけ早めに症状を自覚し、対処することが大切です。
パニック障害は脳の病気
パニック障害は、脳の病気であると言われています。
気質的にかかりやすい人がいることはありますが、
正確な要因についてはまだ医学上明らかになっていない部分もあります。
ですが、不安や興奮に関わる、ノルアドレナリンの分泌が盛んに行われていることがその要因の一つであるとされています。
大まかに起きる原因として考えられているものが、以下の二つです。
- 遺伝・性格的な要因
- 環境的な要因
遺伝や性格的な要因としては以下のものがあります。
- 不安を感じやすい
- 迷惑をかけることを嫌う傾向が強い
そうした傾向を持っていると、パニック発作が起きたときに、症状を悪化させる要因になりやすいことが特徴です。
環境的な要因としては以下のものがあります。
- 両親との早期の離別
- 虐待、いじめ
- そのほか強いストレスを与える出来事
上記のような要因が直接パニック障害に結びつく訳ではありません。
ですが、こうした傾向を持っている人がパニック障害になりやすい傾向があるので注意しましょう。
パニック障害は強い不安感を伴い、「自分が死ぬのではないか」という不安に襲われることがあります。
ですが命に直接関わる症状ではありません。
そのため具体的な症状をきちんと把握し、「命には別状がない」ということを理解しておくと、その不安感を和らげることができます。
パニック障害の主な症状
ではパニック障害の具体的な症状にはどのようなものがあるでしょうか。
具体的には以下のものがあります。
- 予期しないタイミングで突然起きる
- 次の発作が不安になり、行動上の変化が起きる
- 強い不安感や恐怖感
- 動悸、発汗、震え、めまい、寒気などの症状を伴う
- 発作が起きることそのものが不安になってくる(予期不安)
- 発作を避けるために、行動に変化が生じる(広場恐怖症)
- これらの症状が何度も起きること
では、それぞれの症状についてもう少し詳しく見ていきましょう。
強い不安感や恐怖感
パニック障害の特徴は強い不安感や恐怖感にとらわれることが特徴です。
具体的には、以下のような思いが唐突に起きることがあります。
「この発作で死んでしまったらどうしよう」
「また、この発作が起きたらどうしよう」
「この発作で死んでしまったらどうしよう」
これらの不安の原因がわからないまま、より不安感を強めてしまう、という悪循環に陥ることもあります。
動悸、発汗、震え、めまい、寒気などの症状を伴う
パニック障害の人に時折起きるパニック発作は、以下のような症状が現れることが特徴です。
- 動悸
- 発汗
- 手足や身体の震え
- 息がつまり、呼吸が苦しくなる
- 胸が痛む、または不快感がある
- 吐き気やお腹への不快感
- めまい
- 自分が狂ってしまうのではないか、死ぬのではないかという強い恐怖感を覚える
- 知覚異常(身体の痺れなど)
- 寒気あるいは、身体が火照る感じがある
パニック発作は、これらのいくつかの症状が、10分程度続き、徐々におさまっていきます。
これらの症状が複数起きている場合には、パニック発作によるものであると疑われます。
パニック発作そのものは、パニック障害ではなくても発症することがあります。
ただしこれらの症状が長期に渡って続く場合は、パニック障害の可能性があるため、病院での検査を受けるのがおすすめです。
発作が起きることそのものが不安になってくる(予期不安)
パニック障害にかかると、パニック発作がまた起きることが不安になることが特徴です。
こうした不安のことを予期不安と言います。
予期不安を感じることで、より大きな不安を呼び、発作を起きやすくするという悪循環に陥ってしまいがちです。
こうした症状が続くことで、不安の対象が拡大し症状が悪化していくこともあります。
発作を避けるために、行動に変化が生じる(広場恐怖症)
パニック障害の特徴は、発作を避けるために、特定の場所や状況を回避しようとすることがあります。
これを広間恐怖症と言います。
パニック障害が元になって起きる発作はいつ起きるかわからないため、不安を感じやすい以下のような場所や状況を避ける傾向があることが特徴です。
- 人前で注目を集めて恥ずかしさを感じる場所(人通りが多い場所)
- 緊急で状況を避けられない状態や場所(バスや電車など)
- すぐに助けを呼ぶことができない場所(一人でいるとき)
これらの状況が長く続くと、人いる場所に出ることが難しくなってしまい、社会生活が困難になるケースも起こり得ます。
そのことで、うつなどの症状を併発する可能性もありえない話ではありません。
これらの症状が何度も長期的に起きること
パニック障害の特徴は、パニック発作の症状が定期的に何度も起きることです。
パニック発作そのものは、パニック障害にかかっていない場合でも、突発的に起きることがあります。
ですが、パニック障害の人の場合は、パニック発作の症状が1週間に一度などの頻度で定期的に見られることが特徴です。
特に1ヶ月以上パニック発作が続くような場合は、パニック障害が疑われますので、検査を受けることがおすすめです。
症状に当てはまったら検査を
上記のような症状にもし当てはまるようでしたら、できるだけ早く検査を受けることが大切です。
検査を先に伸ばせば伸ばすほど、症状が悪化しやすくなり、施術にも時間がかかるようになってしまいます。
とはいえ、どこでどんな検査を受けるのかわからないと、どうしていいかわからないですよね。
そこで、検査を受けられる病院やどんな検査を行うのかについて、ここでは見ていきましょう。
検査はどこで受けられるの?
パニック障害の検査については、以下の病院で受けることができます。
- 精神科
- 心療内科
ただし、パニック障害にある程度精通している人でない場合誤診の恐れもあります。
パニック障害をある程度専門としているところで、検査を受ける方が安心です。
どんな検査をするの?
では具体的にどんな検査をするのでしょうか。
具体的には以下のような検査を受けます。
- 心電図の調査
- 問診
心電図の検査では、パニック発作の症状ではない別の症状がないかを調べます。
パニック発作の症状に似た病気には
- 狭心症
- 側頭葉てんかん
- 更年期障害
- 甲状腺機能亢進症
心電図検査をすることでこれらの症状がパニック発作によるものか、そうではないものなのか判断が可能になります。
ただし心電図の検査で、パニック障害であることを断言することはできません。
そのため、最終的な診断は問診をしない限りわからないということが特徴です。
最終的な診断は問診
パニック障害という診断は最終的には問診で行われます。
というのも、パニック障害の大きな診断基準として以下のものがあるからです。
- パニック発作の症状が1ヶ月以上続く場合
- 発作がまた起きることを心配している場合
- パニック発作を原因として、なんらかの行動の変化が見られる場合
大まかに言えば、これらの症状のうち2つ以上が該当する場合に、パニック障害であると診断されます。
これらの症状を放置していくと、どんどん症状が悪化してしまうため早めの対処が大切です。
ではパニック障害の施術方法や種類にはどんなものがあるのでしょうか。
パニック障害の施術方法と種類
パニック障害の施術方法にはどんなものがあるのでしょうか。
具体的には以下のものがあります。
- 薬物療法
- 精神療法
これらの療法を、複数組み合わせるなどして、施術を行なっていくケースが多いです。
ではそれぞれの内容をもう少し詳しく見ていきましょう。
薬物療法
パニック障害の対処法の一つが薬物療法です。
これらの薬物を投与することで、ノルアドレナリンとセロトニンのバランスを整え、パニック発作の症状を抑えることを目的に処方されます。
処方されるものとしては主に以下のものがあります。
- SSRI
- 抗不安薬
- 三環系抗うつ薬
ただしこれらの薬物は、処方を間違えると、強い副作用が出てしまう場合があるため、お医者さんから言われた、量や頻度を必ず守るようにしましょう。
SSRI
SSRIとは、脳内のセロトニンを増やす作用がある薬です。
効果が出るまでに、2〜3週間ほど時間を必要とします。
また吐き気や眠気などの副作用を伴うことがありますが、抗不安薬と比べて副作用が弱いため、パニック障害の施術で投与されることが多い薬です。
抗不安薬
パニック障害で処方される薬には、ベンゾジアゼピン系薬である抗不安薬があります。
SSRIと違い、即効性があるためパニック障害の施術の初期段階で投薬されることが多いです。
ただし、副作用がSSRIよりも強く、依存しやすい性質があります。
そのため、SSRIの効果が出始める頃には、処方がされなくなることが多いです。
三環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬もパニック障害の施術に使われる薬です。
便秘や喉の乾き、眠気などの強い副作用があるため、抗不安薬やSSRIの投薬であまり使われません。
精神療法
パニック障害の対処法の一つが精神療法です。
薬物施術は、身体の症状を緩和させていくために必要な施術の一つですが、パニック障害になる原因としてなんらかのストレスを感じているケースが少なくありません。
そのため、そういったストレスの要因に対して対処することも必要な施術の一つです。
具体的には以下の方法があります。
- 認知行動療法
- 自律訓練法
認知行動療法
認知行動療法とは、自分の不安になる要因を理解し、その思考を修正し不安感を取り除くことで、パニック発作の要因である、不安感を取り除く施術法です。
自律訓練法
自律訓練法では、リラックスする方法を身につけ、自分で自律神経をある程度コントロールする訓練を行います。
パニック障害の症状を持つ人は、他の人に比べて緊張し、自律神経を乱す傾向を持っていることが少なくありません。
普段からリラックスする習慣や方法を学ぶことで、パニック発作を起こしにくくすることができます。
パニック障害を理解する(まとめ)
今回は、パニック障害になる理由や特徴について具体的に見ていきました。
これでパニック障害がどんなときに疑われるのかについて大まかにお分かりいただけたのではないでしょうか。
パニック障害は放置しておくほどに、症状が悪化していきますし、施術に時間がかかるようになってしまいます。
そのためパニック障害かなと思ったらできるだけ早めに診断を受けるようにしましょう。