「仕事でパニックになりミスすることが増えた」
「唐突なめまいや無気力感で仕事に悪影響が出始めた」
こうした症状がパニック障害なのか自律神経失調症なのかわからず不安になっている人も多いかと思います。
これらの症状を放置していてもよくなる可能性はほとんどないばかりか、むしろ症状がどんどん悪化してしまう恐れも。
とはいえ、メンタルの症状は目に見えにくく今ひとつピンとこないですよね。
そこでこの記事では自律神経失調症とパニック障害の違いや仕事への影響について詳しく解説します。
Contents
自律神経失調症とパニック障害の見分け方と仕事への影響は?
「自律神経失調症とパニック障害、どう違うのかわからない!」
という人も多いのではないでしょうか。
どちらも精神に関わりがあるようにも見えますし、今ひとつ症状の区別がつかない人もいますよね。
ただこれらの症状は大きな違いがあり、対処法も異なります。
誤った対処法をとると場合によっては逆効果になり、症状を悪化させてしまう、併発してしまう可能性も。
ここでは自律神経失調症とパニック障害の違いや仕事への影響、症状が併発する可能性について、詳しく見ていきましょう。
自律神経失調症とは?
自律神経失調症は実は医学的な病名ではありません。
自律神経が乱れていることが原因だと考えられるさまざまな症状に対してつけられる、暫定的な病名です。
そのため医師ごとにその判断や治療方針も大きく異なります。
身体的な症状は以下の通りです。
- 熱っぽさ
- だるさ
- 寝付きの悪さや朝の目覚めへの悪影響
- 食欲不振
- 身体がふらつく
- めまい
- 耳鳴り
- 目の疲れ
- 手足の痺れ
- 息切れ・動悸
- じんましん・かゆみ
- 便秘・下痢
- 吐き気
- 頻尿
- 生理前の不調
精神的な症状には以下のものがあります。
- やる気が起きない
- 気持ちの浮き沈み
- 不安な気持ちを感じる
これらの症状はその個人個人で違いがあり、複数の症状が現れることも。
「風邪と症状が似ている」
そう思う気持ちもわかります。
風邪と自律神経失調症は症状でいうと似通っていることが少なくありません。
ただし原因が違うため、適切なアプローチが変わます。
風邪とも混同しやすく症状が軽いうちは見逃されてしまう可能性があります。
自律神経失調症の治療は、身体症状に対して薬の投与などの対症療法で改善しにくくいことも特徴です。
(ただし全く効果がないわけではありません)
もし明確な原因が見られない、今ひとつ風邪薬がきかない、そんなときに自律神経失調症の可能性があります。
自律神経失調症の要因として考えられるものは以下の3つです。
- ストレス
- 生活習慣の乱れ
- ホルモンバランスの乱れ
ただしこれらの症状が重症化すると仕事に支障をきたしてしまうことも。
- やりたくないことを先延ばしにしてしまい、なかなか手をつけられない
- イライラしやすくなる
- 眠りが浅くなり仕事効率が下がりちょっとしたミスが増える
こうした症状が続くことでさらに自律神経が乱れやすくなり、放置しておくとうつ病に発展してしまう可能性も。
そうなる前に早めに診療を受けて対処することが大切です。
パニック障害とは?
パニック障害とは、パニック発作という発作が継続して起こる症状のことです。
「ミスを繰り返してパニック状態になることとは違うの?」
パニック障害は、「どうすればわからず混乱する」というようなパニック状態とは明らかに違った症状です。
パニック障害とパニックの違いは以下の通りです。
- 吐き気などの身体的な症状があるもののなんの病気も見られない
- それらの症状が継続的に繰り返し起きる
- 発作が起きることに不安を感じるようになる
- 人前や助けを求められない場所を恐れる
パニック障害の場合、急に発作が起きるものの、病院に行っても身体にはなんの異常が見られないため、「サボり」だと見られがちです。
パニック障害は発作の症状が非常に強く、また仕事中はどうしても人前や助けを求められない場面が多く、仕事に支障をきたしがちになります。
そうした症状をカバーするために無理に頑張ろうとよりパニック障害の症状が出やすくなるという悪循環に陥ってしまうことも。
うつ病や自律神経失調症などを併発する可能性もあるため、自分での治療は極めて困難です。
できるだけ早めに医療機関での診察を受けましょう。
自律神経失調症とパニック障害の違いは?
自律神経失調症とパニック障害とはその症状の現れ方が大きく違います。
- パニック障害はパニック発作の症状を伴い、強い身体的な異常が現れる
- 自律神経失調症は症状の現れ方がやや軽い
- 自律神経失調症は風邪と混同しやすい症状が現れることも
ただし自律神経失調症だから簡単に治せるという訳ではなく、放置していれば徐々に症状が進行してしまいかねません。
自律神経失調症とパニック障害でも仕事で対処する方法はあるの?
「自律神経失調症とパニック障害が疑われるときにはどう対処したらいいの?」
ここでは自律神経失調症とパニック障害の対処法を詳しく見ていきましょう。
自律神経失調症の対処法
自律神経失調症は自律神経が乱れることが原因です。
そのため、自律神経を整えることが症状の改善に効果を発揮します。
大まかに以下の改善方法があります。
- 睡眠時間と睡眠の質の改善を試みる
- 3食ある程度同じ時間に食べられているか
- 食事のバランスはきちんとしているか
- 適度に休息できているか
- 運動はできているか
- リラックスする時間を設ける
- ストレス要因があるならその要因を解消する
これらの対処法は即効性があるものではありませんが、継続して繰り返すことで症状の改善が進んでいく場合もあります。
身体症状が出るようであれば、効果が出ない場合もありますが、薬を服用するなどの対症療法が効果を発揮するのも選択肢です。
とはいえ症状がなかなか改善しないようであれば、診断を受けて病院での診断を受けましょう。
パニック障害はできるだけ早く診断を受けましょう!
「パニック障害かな?」
もし自分がそう思っているのであれば、できるだけ早めに診断を受けることをおすすめします。
というのもパニック障害は自分だけでの対処が極めて困難な病気だからです。
さらに放置しておくと症状が悪化しやすいのがパニック障害です。
パニック発作が発症する、パニック発作が起きないか不安になる、より症状が重くなる、そんな負のスパイラルに陥ってしまいかねません。
「自分だけでなんとかなるだろう」
そう考えていてもなんとかならず、むしろ悪化するだけなので早めに診断を受けることが早期改善のためにおすすめです。
上司や同僚に相談してみましょう
自律神経失調症でもパニック障害でもできるのであれば、上司や同僚にしてみましょう。
自律神経失調症もパニック障害も無理に仕事をしようとすると症状を悪化させがちです。
自分で改善を試みることももちろん大切しですが、パニック障害も自律神経失調症もすぐに効果がでるとは限りません。
上司や同僚に相談することで、症状を理解してもらいやすくなり、環境を改善しやすくなりますよ。
休職するのも選択肢
「同僚や上司に相談するだけで問題が解決しなかった」
そんな場合には休職するのも選択肢です。
これらの症状は放置しているだけで改善する可能性はそれほどありませんし、むしろ環境が変わらないのであれば悪化する可能性が極めて高いです。
悪化すると、より治療に時間がかかってしまう恐れが。
休職する場合、診断書が必要なためかかりつけの病院にまず相談してみましょう。
「パニック障害や自律神経失調症かな?」と思ったら早めに診断を受けましょう
今回はパニック障害や自律神経失調症の症状の違いや対処法を具体的にお伝えしました。
自律神経失調症もパニック障害も症状の現れ方が違いますが、無理に対応しようとしても難しく症状を悪化させてしまいがちです。
そのため、これらの症状が疑われるときにはできるだけ早めに診断を受けるようにしましょう。
原因がはっきりすることでどうしたらよいかはっきりしますし、不安な気持ちも大きく解消されます。
もし「パニック障害・自律神経失調症かな?」と思ったときは、まずお医者さんに診断を受けてどうするべきかはっきりさせることからはじめてみてください。